なぜ「つみたてNISA」が人気なのか?

2024年からはじまる新NISAが話題を集めていますが、そもそもどうして「つみたてNISA」がここまで人気なのでしょう。
今回のコラムでは、
- 政府が推し進める「資産所得倍増計画」とは何か
- NISA制度の概要
- NISAのメリットやデメリット
- NISAやつみたてNISAをやる上で気を付けるべきこと
などについて、詳しく解説していきます。
漠然とNISAってどんなものなのだろう?と思われていた方は、このコラムを読むだけで概要をしっかり理解することができます!
それでは早速みていきましょう。
政府が推進する「資産所得倍増計画」とは?
岸田政権が掲げる経済政策のひとつとして注目されている「資産所得倍増計画」。
これは「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、日本の家計金融資産の半分以上を占める【現預金】を投資につなげることで、
- 持続に日本の企業価値を向上させ
- その恩恵によって資産所得の拡大という形で家計金融資産を増やす
つまり、「日本企業の成長と資産所得の好循環」の実現を目標としています。
日本の家計金融資産は2,000兆円とも言われ、その半分以上がリターンの少ない現預金で保有されています。
年金や保険などの間接保有も含めて、日本で【株式・投資信託・債券】に投資されているのはわずか約244兆円、投資家は約2,000万人ほどにとどまります。
一方、米国や英国では、中間層でも気軽に投資ができる環境が整備されています。
米国では20年間で家計金融資産が3.4倍に、英国では2.3倍になっていますが、日本では1.4倍どまり。
そんな現状を打破すべく生まれたのが、今話題の「NISA」や「つみたてNISA」です。
毎年一定金額の範囲で購入した金融商品から得られる利益が非課税となる、つまり税金がかからない制度です。
若者の間で広がるNISA
かつて日本では【投資=富裕層の行うもの】というイメージがありましたが、「NISA」や「つみたてNISA」の登場により、1,700万以上もの口座が開設され、28兆円の新規投資が行われています。
また、特筆すべきは、20代〜30代の若年層の利用が拡大していること。
少子高齢化、年金システムの崩壊、経済不況、円安など、今の日本を取り囲むさまざまな不安要素から、「NISA」や「つみたてNISA」への期待感が高まっているようです。
中でも、複数の銘柄に分散投資ができるインデックス投資はリスクが低いため、とても人気があります。
将来のお金の不安をNISAが解決できるのか?メリットとデメリットを解説
それでは、NISAをやっていれば誰でも将来のお金の不安は全て解決できるのでしょうか。
これはYesでありNoでもあります。
将来のお金の不安をNISAを利用して解決するには、「メリット」と「デメリット」をしっかり理解しておく必要があります。
どんな良い制度にも落とし穴はあるので、良い面だけでなく気を付けるべき視点も持つようにしましょう。
NISAの4つのメリット
覚えておきたいNISAのメリットを4つご紹介します。
- 税制優遇措置があるため資産形成がしやすい
- 長期的な資産形成において有利
- 投資目的やリスク許容度に合わせた投資が可能
- 少額から始められる
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
税制優遇措置があるため資産形成がしやすい
通常、投資をして得た利益には20.315%の税金がかかります。
例えば、100万円投資をしてそれが2倍の200万円になった場合、増えた100万円に対して税金がかかるので、20万3,150円の税金を支払う必要があります。
しかしNISA制度は、増えた分の利益に対して一切の税金がかからないため、資産形成がとてもしやすい仕組みになっています。
長期的な資産形成において有利
NISAで投資先を分散させることで、リスクヘッジをすることができます。
投資は増えることもあれば減ってしまうことがあることも事実です。
減ってしまうことを恐れて投資を怖がる方も多いですが、投資先を分散させることでそのリスクを最小限に抑えることができます。
また新NISAは旧NISAのときにあった非課税期間が撤廃され無期限になったため、長期的な資産形成ができることもメリットです。
投資は長期間行うことでリスクを減らすことができるので、NISAは長期投資にとても有効なのです。
投資目的やリスク許容度に合わせた投資が可能
「NISA」や「つみたてNISA」は投資先が多様化されており、
- 株式
- 債券
- 投資信託
- ETF
など投資先が幅広く、自分の投資目的やリスク許容度に合わせた投資ができることもメリットです。
少額から始められる
「つみたてNISA」は月々100円から始めることとができます。
投資初心者にも取り組みやすく、金額も自由に設定の変更ができるので、長期的な資産形成につなげることができます。
まずはムリな金額を設定せず、余剰資金から余力でできる投資として始めることをおすすめします。
NISAの3つのデメリット
続いて、覚えておきたいNISAのデメリットを3つご紹介します。
- 減ってしまうリスクが伴う
- 運用に手数料がかかる
- 損益通算ができない
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
減ってしまうリスクが伴う
投資先によってはリスクが高い株式や投資信託などがあります。
例えば、高いリターンが期待できる投資先(大きく増える可能性のある商品)には、それに伴うリスクもあります。
大きく増える可能性がある商品は、その分大きく減ってしまう可能性があることをセットで覚えておきましょう。
自分自身のリスク許容度に合わせた投資を行うことがとても大切です。
運用に手数料がかかる
投資信託などの運用商品は、運用に手数料がかかります。
運用の手数料は商品によって変わってきますので、手数料も商品を選ぶ際の1つの判断材料にしましょう。
この運用手数料が高いと、もっと大きく増やせたはずの利益を失ってしまうことになりかねません。
例えば、運用手数料が年間0.3%の商品と、0.1%の商品があったとします。
一見すると0.2%だけならそこまで大きな差に見えないですが、投資は長期間行うことが多いので、年数が経てば経つほどその差が大きく膨らんでいきます。
もう少し具体的に見ていきます。
1,000万円を20年間、年間の平均利回り3%で運用したとき、
- 手数料が0.1%の場合は約1,760万円まで増えるのに対して
- 手数料が0.3%の場合は約1,700万円までしか増えない
つまり、20年間で60万円もの差が生まれてしまいます。
投資を始める前に、運用手数料もしっかり確認するようにしましょう。
損益通算や繰越控除ができない
まず言葉の意味を説明が以下になります。
- 損益通算…複数の口座の「利益」と「損失」を合算した金額で税金の計算を行うこと
- 繰越控除…損益通算で引ききれなかった損失を最大3年間繰越し、利益と差し引くこと。
損益通算をもう少し具体的に説明します。
NISAでなく通常の口座で行う投資で、例えばA投資信託で+20万円、B投資信託で-30万円となったとします。
A投資信託とB投資信託を合わせた損益は-10万円となるので、税金は0円でかつ-10万円の損失は翌年以降の利益と相殺することができます。
一方で、通常の口座でA投資信託が+20万円、NISA口座でB投資信託が-30万円となったとします。
この場合、通常の口座とNISA口座では損益通算ができないため、損益+20万円となり40,630円の税金がかかることになります。
このように、通常の口座だけの場合はできた損益通算や繰越控除が、NISA口座はできないことも覚えておきましょう。
「NISA」や「つみたてNISA」を行う上で考えなければいけない出口戦略
「NISA」と「つみたてNISA」のメリット・デミリットを見てきましたが、何よりも考えないといけないのは「出口」、つまりいざ使うために換金するときではないでしょうか。
「NISA」や「つみたてNISA」で出た利益に関しては、税金が優遇されます。
非課税なのは非常にありがたいことですが、注目すべきは “すべて「円」で支払われる” という点です。
日本で生活をしていくのだから、「円」で支払われることは当たり前。そして、このことに疑問を抱かない人も多いと思います。
しかし、これからは「円」しか持たないことがリスクとなっていく時代になるでしょう。
2022年には約20年ぶりに「円安ドル高」となり、日用品をはじめ、さまざまな物価が高騰し、私たちの日常生活に大きな影響を及ぼしました。
このような状況下において、日本に住んでいるから「円」だけ持っていればいいという考え方は非常に危険です。
海外旅行が趣味の方は、「円」しか持っていない場合にたくさんの「円」がないと海外旅行ができなくなります。
また、お子さんを海外留学させることはより一層難しくなることでしょう。
投資は分散投資が基本!「円」と「ドル」の両方を持とう!
日本人のほとんどが、お金=「円」を得る手段しか持っていません。
これは円高のときの対策はできているといえますが、円安対策にはなり得ません。
円安の場合を見越して、円以外の通貨も保有もしておくことが大切です。
数ある外貨の中でも「ドル」はさまざまな国で使用することができりるため、非常に便利な外貨です。
投資の基本は、分散投資と長期投資と言われています。
「円」だけでなく「ドル」などの外貨を持つことも、分散投資の方法のひとつです。
もし「円」以外の資産を持っていない場合は、ぜひ検討してみることをお勧めします。

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